始まりの月

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「<ルナ>って言葉、知ってる?」 「ルナ‥‥? ぅん。聞いたことある。 確か月に関係あるような」 「そう。 月のことをどこかの神話でそういうみたいなんだけど。 あたしの名前も<るな>って言うの。 だから、勝手に仲間意識持ってて。 変だょね」 <るな>はくすくす笑った。 「そんなことない。 僕の名前にも<月>がいるから何となく分かるよ」 「そうなの?」 「うん、<高い月が光る>で<高月 光>。 うまくできた名前でしょ?」 「うん、キレイな名前」 彼女は今までにないとびきりの笑顔を見せてくれた。 その奥にはまだ悲しげな色もあったけど‥。 その笑顔は僕に変化をもたらした。 やばい。 心臓がドクドクいってる。 真冬の一月だと言うのに、身体が熱くなってきたのが分かる。 きっと、顔も赤くなってると思うけど暗闇だから辛うじて気付かれていないだろう。 気付かれていないことを願う。 僕‥‥どうしたんだろう‥‥
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