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先生は、辺りを見渡して
ニヤリと笑って私を見た。
「じゃあ中宮の席は…蓮池の隣でいいかな?」
先生は、私を席まで誘導すると、耳打ちをした。
「ボソッ…あいつの性格はそのうち分かるが、余り気にしないでくれ。」
どうゆう意味か分からなかったが、気にしない事にした。
「じゃあ中宮!早速だが、蓮池を呼んできてくれないか?」
「えっ!?私がですか?」
全く予想外の事だったが、周りの女子達にとってはうらやましい事だそうだ。
私は仕方なく靴を履き変えて中庭に居る彼を呼びに行った。
三階からは、余り見えなかったが、石垣の真ん中にやや大きな木が生えている。春の木漏れ日に男の子の顔が照らされる。
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