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「あの~先生が呼んでるよ~…」
千瀬は彼に話しかけたが、一向に起きる気配が無い。
やや赤みがかった茶髪に肩に掛からない位の長い髪。身長はやや小柄で中性的な顔立ちをしている。
東から来る風が、彼の髪を靡かせる。
「…ん…ふあっ」
ビクッ…
私は、彼を見つめっぱなしな事に気付き、直ぐに目を反らした。
彼は一度大きく欠伸をすると、まるで私などいないかの用にすたすたと歩き出した。
「えっ…あ。ちょっと!」
彼は、振り向きもせず歩いてしまった。
「先生が言ってた事ってこのことなのかな…」
私は気を取り直し教室に足を運んだ。
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