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……冷たい指が君の首に絡みつく。
そんなことにも気付かずに、僕のベッドの上で、安心しきって無防備に眠る君……。
指に少し負荷を掛ければ、簡単に折れてしまいそうな細い首筋を月明かりに晒して、何も知らずに眠り続けている。
「無防備すぎるよ……。僕の本当の姿を知ったら、君はどんな顔をするだろう……?」
そう呟きながら、僕は絡ませた指先に少しずつ力を込めていく。
力が強まるにしたがって、君の美しい顔が少しずつ歪んでいくのが判った。
そして僕は、君の黒い瞳が僕を……僕の本性をとらえる前に、君の首筋から指を離し、深い溜め息をついた。
「美月……。君が僕を狂わせるんだ……。君の存在が……」
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