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終わり。
僕が永遠を願った彼からは、出会ったころの面影は消えた。
―――ドクン…
真剣な瞳に、単純な僕の心臓は大きく脈打つ。
「どうして…?」
ああ、声が震える。
こんな日が来るのが、想像できなかったわけじゃないのに…
僅かに口を開きかけた彼が、目に映って。
なんで今さら…
言わないで
そんなこと言わないで
「―――本命、大切にしたい。」
どうして、そんなに大切なら…
僕を抱いたの…?
「……ッ…」
何か言いたい筈なのに、言葉を紡ぐことが出来なくて。
彼は続ける。
少しだけ、顔を歪ませながら…
「………お前も、他にいんだろ?そういう奴。」
違う…
違うよ…?
僕の1番は、あなただけ
他の人なんていらない…!!
「―――じゃあな。」
そう言って、歩き出す…
段々小さくなっていく、愛しい人。
ふわふわの金髪が揺れる。
涙で姿が滲んだ。
言えなかった…
伝えられなかった
大好きなのに…ッ
.
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