唇。

1/1
前へ
/7ページ
次へ

唇。

「―――待ってッ!!」 気付いたら、大声で呼びとめていた。 なにを言うかなんて、決まってる。 最後に気持ちだけ伝えたいんだ。 浮気相手にそんなこと言われても困るだけかも知れないけど…。 「――どうした…?」 彼は、走って戻ってきてくれて、僕に訪ねた。 やっぱり、好き…  大好き…  僕を捨てないで…ッ 言いたいけど、言えない。  そんな幸せそうな顔した君には こんなこと言っちゃだめだ…。 「―――僕は本気だったんだよ、バーカッ!!!」 言った。 言えた… 今度こそさよなら、だ。 .
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

402人が本棚に入れています
本棚に追加