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唇。
「―――待ってッ!!」
気付いたら、大声で呼びとめていた。
なにを言うかなんて、決まってる。
最後に気持ちだけ伝えたいんだ。
浮気相手にそんなこと言われても困るだけかも知れないけど…。
「――どうした…?」
彼は、走って戻ってきてくれて、僕に訪ねた。
やっぱり、好き…
大好き…
僕を捨てないで…ッ
言いたいけど、言えない。
そんな幸せそうな顔した君には
こんなこと言っちゃだめだ…。
「―――僕は本気だったんだよ、バーカッ!!!」
言った。
言えた…
今度こそさよなら、だ。
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