出会い

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『今夜8時、いつもの店で』 メールが来たのは昼休憩の終わりと同時だった。 了解 とメールを返信し、仕事にもどる。 今日も新入社員の指導と部下の営業のロープレ。毎日忙しいが、部下にも恵まれ、仕事は充実している。 そして今日の夜の事を考えると仕事がとてもはかどる気がする。 メールの相手はレイカ。 職業…愛人。 相手は一度も見たことが無いが、聞く度に『あなたも知ってるおじ様かもよ』と笑いながら話す。 ただ、うちの父で無い事は確実だろう。 なぜならレイカにはこだわりがあったからだ。 収入、年齢、家族構成、色々考慮した上でのお付き合いをしているそうだ。 仕事はいつも通り早く終わった。定時には着替えを済ませ、すぐに会社を後にした。 2年前に購入した愛車は今日も調子が良く 軽自動車には似合わない燃費と、 軽自動車らしい加速でギアチェンジを楽しむ。 家に真っ直ぐ帰り、洗濯物をたたみ、部屋の片付けをすると、もう家を出る時間だった。 愛車に乗り込み、国道を走る。 まだ冬の寒さを残した車内と外の空気のほのかに暖かい匂い。 私はこの季節が好きだ。 15分ほど走ると、例の『いつもの店』に着いた。 店に入るなり、奥のテーブルにレイカを見つけた。 「お疲れ様。先に飲んじゃったけどよかったかしら?」 レイカは今日も色っぽい。女の私が見ても、惚れ惚れする。
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