出会い

6/12
前へ
/219ページ
次へ
そして今日またアイルは恋人にフラれ、私とレイカを呼び出したのだった。 「マスター、アイル専用カクテル作って!失恋の記念に!」 マスターは微笑み、アイルの大好きなピンク色のカクテルを作った。 「可愛いー!マスターありがと!おいしそー!」 と口を付けたカクテルは少し酸味が強い上にノンアルコール。アイルはマスターを見る。 「アイルちゃんがもう失恋しない様にね。」 アイルには真意が伝わっていない。レイカが付け足した。 「失恋したアイルが来ると煩いのよ、せっかくの落ち着いた雰囲気が台なし。」 アイルは少し頬を膨らまし、ごめんなさい、と呟いた。 レイカははっきりと物事を言う。時に人を傷付けていると本人も解っている。だからなのか、私もアイルもレイカと居て居心地がよかった。 「愛人やってるレイカには解んないよ、アイルの気持ちなんて」 「全く解らないわ、男に合わせて自分をコロコロ変える女の気持ちなんて」 「そうやって女の子は可愛くなっていくんですー!」 「可愛いだけが女の魅力じゃ無いわ」 アイルとレイカの言い合いを見ているとまるで姉妹のようだ。 「で、ユリは彼氏出来たの?」
/219ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3780人が本棚に入れています
本棚に追加