3780人が本棚に入れています
本棚に追加
そして今日またアイルは恋人にフラれ、私とレイカを呼び出したのだった。
「マスター、アイル専用カクテル作って!失恋の記念に!」
マスターは微笑み、アイルの大好きなピンク色のカクテルを作った。
「可愛いー!マスターありがと!おいしそー!」
と口を付けたカクテルは少し酸味が強い上にノンアルコール。アイルはマスターを見る。
「アイルちゃんがもう失恋しない様にね。」
アイルには真意が伝わっていない。レイカが付け足した。
「失恋したアイルが来ると煩いのよ、せっかくの落ち着いた雰囲気が台なし。」
アイルは少し頬を膨らまし、ごめんなさい、と呟いた。
レイカははっきりと物事を言う。時に人を傷付けていると本人も解っている。だからなのか、私もアイルもレイカと居て居心地がよかった。
「愛人やってるレイカには解んないよ、アイルの気持ちなんて」
「全く解らないわ、男に合わせて自分をコロコロ変える女の気持ちなんて」
「そうやって女の子は可愛くなっていくんですー!」
「可愛いだけが女の魅力じゃ無いわ」
アイルとレイカの言い合いを見ているとまるで姉妹のようだ。
「で、ユリは彼氏出来たの?」
最初のコメントを投稿しよう!