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「言い訳するまで触らせたかったんだな?淫乱女が」
私は痛みとショックで何も言葉が出なかった
口から出るのは血と泣き声だけだった
「結婚破棄だ」
そう言うと康太は寝室に向かおうとした
「待って!」
聞こえたか、聞こえないかわからないような声量で声を出した
「結婚…やめたくないよ…やだよ…」
だだをこねるように泣きながらその言葉を繰り返していた
すると康太は私の髪を引っ張って私の耳を康太の口元に近付けた
「痛い!」
「ぢゃあ約束しろ…男の客には何も反応しない。会社だってそうだ…全ての男とはもう付き合うな。お前のケータイに入ってる男のアドレスも全部だ」
康太は乱暴に私の髪を離すと、そのまま寝室に向かっていった
家の中にはしばらく泣き声が聞こえていた
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