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「でも確かに双子って言われたら頷いちゃうよね」
俺が福圓に犬のぬいぐるみを渡したことには誰もつっこまず、話しが再開された。
「は?なんでさ」
周防は俺と福圓を見比べたあと、
「だってそっくりじゃん。顔とか髪の色とか」
確かに髪の色は俺も福圓と同じ黄土色だが、美少女の福圓が俺の顔に似てるっていうのは福圓に対して失礼じゃなかろうか。
「そりゃ小野くんと福圓さんが似てる~っていうなら福圓さんに失礼だけどね」
「そりゃどういう意味だよ」
ビシッと抗議の声をあげる小野を無視し、周防は言葉を続ける。
「白石くんは、か、かっこいいし、なんていうか……福圓さんと同じで顔が外国人っぽいんだよ」
俺も福圓と同じで洋風っぽいというのだろうか?
「確かにそういう風に言われたことは何度かあるけどさ、はぁ……まいいや。ごっそさん」
言葉をきり、昼飯を食い終わる。
「うおい白石!お前いつの間に!?」
小野は俺の早食いに驚いていた。
「今の間に」
ははっと笑い、朝陽は席を立つ。
「どこ行くの?」
「購買」
福圓の昼飯を買ってこようかと思ったのだ。
「ひゅ~、優しいね~」
などと小野に言われたが、構わず購買へと向かった。
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