朝陽-2

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福圓に昼飯を奢(おご)ると、福圓はメモ帳に『お礼するから今夜家に来て』などと大胆なことを書きやがった。 「いやいきなり家はっ、……てか、ごめん。今日はダメだった。用事あんだ」 すると福圓はメモ帳に何かを書く。 『じゃあ明日は?』 明日は休みだろうに。 (待て……休み?) これはいい機会ではなかろうか。 「よし福圓。明日デートしよう」 福圓は無表情のままその場に硬直した。 「朝迎えに行っから、住所教えてくれる?」 しかし福圓はまだ固まっている。 「もしも~し。福圓、大丈夫か?」 やっとのことで福圓は目をパチクリさせ、メモ帳に住所を書いてそれを破り、俺に渡して福圓は走っていった。 「明日は福圓とデートか」 ん?そういやなんでデートに誘ったんだ? (俺、福圓のこと好きなのかな) なんて思いつつ、朝陽は教室へと戻った。 5時限目、帰りのHR(ホームルーム)が終わり、放課後になった。 「ん?」 帰ろうと思ったが、福圓の姿が視界に入った。 「福圓」 声をかけると、福圓は振り向いてくれた。 「帰らないのか?」 福圓はこくりと頷いた。 「なんで?」 福圓はメモ帳に文字を書いてそれを俺に見せる。 『お金ないから』 「あのな……じゃあどうやってあの公園から学校まで、遅刻せずに済んだんだ?」
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