朝陽-2

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自分も福圓も髪は黄土色だし、さらに俺は眼帯をしていて、福圓はかなりの美少女だ。 (見ないほうがおかしいよな) 福圓はそんな視線も気にせず、というか気付きもせずに本を読んでいる。 「…………」 学校で見せたあの涙は一体なんだったのだろうか。 (ま、考えるより聞いたほうが早いよな) だが聞くことはせずに窓の外を見る。 目的の駅が見えてきた。 てくてく。 二人は公園の前で足を止めた。 「…………」 二人が初めて出会った場所。あれからまだ半日も経っていない。 ――あなたは私たちの本当の息子じゃないのよ。 (ん?) なんで今、今朝母さんが言ったことを思い出したんだ? 「福圓、行くぞ」 福圓はこくりと頷き、二人は公園の前を通り過ぎた。 「うっわぁ……」 やがて福圓に案内されてついた所は、大きな屋敷の前だった。 「えっと……ここが福圓の家?」 福圓はこくりと頷き、朝陽の腕を握って屋敷に入ろうとする。 「うおいおい、なんだよ福圓。俺は入らないぞっ」 だが福圓は朝陽の腕を離さない。 「ふ、福圓!ま、まずいって!それに俺にも用が……」 朝陽は動揺しているが、もちろん福圓は動揺などしていない。誘ってるのは福圓なので当たり前だが。
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