朝陽-2

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「え?どうしたって……」 何故いきなり、しかも初対面の人にそんなことを聞かれるかわからない。いやもちろん、聞かれたことは今まで何度かあった。だが、この母親ほど真剣な表情で聞いてきた人はいない。 「眼は生れつきですよ。髪もそうです。あ、でも親が外国人とかそういうのではないですよ」 ――あなたは私たちの本当の息子じゃないのよ。 例え親が外国人であろうとも、もしも本当の息子じゃないのなら……。 「……もしかして、あなた、養子とか?」 「えっ!?」 ドキリとした。 本当の息子じゃない=養子だと考えていたのだ。 「ど、どうなんでしょう。実は今朝、母親に本当の息子じゃないって言われたんですよ」 「!」 なんでこんなことこの人に言っているんだろうかと思っていると、 「もしかして、妹がいるって言ってなかった?あなたのご両親」 「え?いえ、詳しくは帰ったら話すだとかで……」 「そう……」 福圓の母親は俯いた。 朝陽は少し疑問に思った。 ――妹がいるって言ってなかった? (なんか、違和感があるような……) 考えていると、 「変なこと聞いちゃってごめんなさいね。もう行ってあげて。カグヤちゃんの部屋、2階の手前から二番目よ」 「え?あぁ、はい」
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