朝陽-2

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頷いて外に出る。 ――妹がいるって言ってなかった? 廊下を歩きながら違和感を覚えた理由を考える。 「そういえば……」 福圓の母親をどこかで見たことがあるような……? (どこだ?どこで見た?思い出せ、思い出せ!) 記憶を辿(たど)る。 「あ――」 そう、小さい頃に遊んでいたあの、今朝福圓と出会った公園。あそこで福圓の母親を見たことがある。 朝陽は階段を下り、2階へ下りて廊下を進む。 (じゃあ……ガキの頃一緒に遊んでいたのは、福圓?) 確かに、しゃべれない女の子と遊んでいた記憶がある……ような気がする。 やがて福圓の部屋の前につき、ドアノブを回して中に入る。 「あ――」 「…………」 下着姿の福圓と目が合った。 福圓は頬を染めて何も言えずにいる。いや、何も言えないのは当たり前だが。 「はっ、ご、ごごめん!」 慌ててドアを閉め、外に出る。 「な、何やってんだ、俺……」 胸が高鳴っている。興奮しているのか、緊張しているのかはわからない。 (それにしても) 下着姿の福圓はいつにも増して魅力的だった。 「はぁ、福圓がしゃべれれば俺、打ち首かも」 なんて恐ろしいことを考えると、ドアが開いて私服姿の福圓が顔を出した。
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