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某年4月。
少年・白石朝陽(しらいしあさひ)は、今日から通うことになった高校に行くため、駅へと向かっていた。
歩きながら、今朝家を出るときに母親に言われた言葉を思い出す。
――あなたは私たちの本当の息子じゃないの。
しかし、何故そのようなことをよりにもよって高校生になって初めての日に言うのだろうか。
(いや、むしろ高校生になったから、と考えたほうがいいのか?)
詳しいことは帰ってきたら話すから、遅くならないでと言われた。
(まあ確かに……)
両親との違いはあった。
それは血液型。両親がO型なのに、自分はなぜかA型だった。
「はぁ……」
しかし、それでも実際に違うと言われるとやはりショックである。
「――あ」
ふと足を止める。
「懐かしいな」
朝陽が目にはいったのは、小さな公園だった。昔よく遊びに来ていた気がするのだ。
携帯電話を取り出し時刻を確認。
「うっし、余裕だな」
公園に寄り道してる時間はあったので、中に入る。
ベンチに座ろうと思ったが、唯一あるそのベンチには先客がいた。
仕方なく反対側にあるブランコに座る。
「…………」
ベンチにいるのは、学生服姿の少女。膝(ひざ)を抱えて本を読んでいる。
(てか、パンツ丸見えだぞ、あのこ)
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