朝陽-1

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女の子なのにだらしないと思いつつ、注意するためにその娘に近づく。 「あの」 声をかけたが、少女は見向きもしない。 仕方ないので、とりあえず言いたいことだけを言う。 「あの、パ、じゃねぇや……。下着、丸見えだけど」 だが少女は朝陽を見ることも、足を下げることもせずに本を読んだままだった。 (……てかこの娘マジでかわいいじゃねぇか) パンツなんか見せてたらそこらをうろついてる変な輩(やから)に襲われかねないぐらい、目の前にいる少女は可愛かった。 洋風美少女とでもいうのだろうか。無表情だが顔は整っているし、髪は黄土色だが綺麗に輝いている。 「もしもし?」 再度声をかけるが、やはり見向きもしない。 「はぁ……」 ため息をつき、ブランコへと戻る。 「…………」 しばらく少女を見つめていると、少女は立ち上がって公園から立ち去っていった。 「ん?」 携帯電話を取り出し時刻を―― 「げっ」 走らないとマズイ。駅に急がなければ。 と走り出したとき、あるものが目にはいった。 「なんだ?」 そのあるものとは、ベンチの上に置いてある犬のぬいぐるみだった。さっきの少女の忘れ物だろうか。 「ん、なんかチャックがある」 開けてみると、飴玉がいくつか入っていた。 「まぁ、預かっておくか」
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