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駅につき、さっさと電車に乗り込む。
途中、公園にいた少女とは出会わなかった。
「…………」
この時間に電車に乗るのが初めてなせいか、時々自分を物珍しそうに見ている人がいた。
(生まれつきなんだからしょうがねぇだろ)
誰に言ってるともわからないことを思いつつ、窓の外をぼんやりと眺めていると、すぐに目的の駅へと到着した。一つ隣だから当然である。
電車から飛びでて、ダッシュでホーム、改札とを抜けていく。
やがてなんとかギリギリ高校に到着し、校長の長い話しとともに入学式は終わり、みんなが楽しみな自己紹介の時間がやってきた。
「これから簡単に自己紹介をしてもらうが、福圓だけは最後にしてもらう」
ふくえん?変わった名前のやつがいたもんだ。と思いながら横を見ると、いつからいたのか公園にいた少女が朝陽の二つ隣に座っていた。
(同い年だったのか!?)
キョロキョロと辺りを見回す――付近の女子に怪しい目で見られるが気にしない――と、確かに少女が着ている学生服はうちの高校のもののようだ。
(俺はなんてバカなんだろうか……)
制服なんてあんま気にしてなかった。というよりこの高校を受けることにしたのは、名門ということもあるが、同時に親の負担を減らしたかったのだ。
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