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席に戻ってからもじーっと公園少女を見る。
と、公園少女が突然立ち上がった。どうやら自己紹介の番が回ってきたらしい。
公園少女が教壇に立つと、クラスの誰もがおぉっと声を上げた。
当然である。整った顔。黄土色の髪。洋風な容姿。抜群のスタイル。
笑顔こそまだ見ていないが、アイドルみたいな出で立ちである。
公園少女が教壇に立ったが、少女は何も言わない。
代わりに、後ろにいる担任教師が黒板に大きく文字を書いていく。
『福圓』
「ふくえん」
それを担任が読む。
『夜月』
「かぐや」
担任はパンパンっと手を払い、前を見る。
「彼女は福圓夜月(ふくえんかぐや)。髪は白石と一緒で生れつき。あとこれも生れつきだが、福圓は口がきけないから。みんな、仲良くするように」
は~いと皆が返事をする。
(夜に月で『かぐや』って読むのか)
苗字も変わっているが、名前のほうが変わっている。
「よし、戻っていいぞ」
公園少女、もとい福圓は席に戻る。
入学式があったというのに、ここの高校は初日から授業がある。授業といっても初めは簡単な説明とかだろうが。
「Zzz……」
授業中、俺は居眠りをしていて夢を見た。
といってもよくわからない夢だったので、すぐに忘れてしまったが。
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