理想高すぎ!?

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『有罪』 『有罪』 『有罪』 『第一級重罰刑に処する』 真っ白な広い空間に数人の裁判官。 見下ろす視線の先には表情も変えず立っている人物がいる。 『最も重刑である宇宙流罪に決定する』 それでも罰を言い渡された人物は顔色一つ変えない。 いや、皆無表情だ。 『若き天才科学者よ。異議はないか』 「ありません。謹んでお受け致します」 この星で最も重罪である事をした。 だが科学者としての探究心を捨てる事が出来なかった。 『では処刑に移る』 小さな一人分の宇宙船。 これで広い宇宙を永遠に漂う事になる。 長い長い時間…果てしない宇宙への流刑。 小さな箱の様な物体が2つ一緒に宇宙船の中を漂う。 「…私は罪を犯したのに何一つ変わらなかった…知りたかった…『感情』と云う悪魔の存在を…」 カプセルを飲んだ。 そして巨大な宇宙船から切り離された。 老いるまでの時間は長い。 だから暫く眠る事にしよう。 起きたその時、絶望と云う『感情』があったなら…私のした事に意味があったと言えよう。 目を閉じた。 キューブは真っ白なままでフワフワと浮かんでいた。 長い長い時間をかけて宇宙を漂う。 小さな宇宙船は光のスピードで何処へ向かうか分からない旅を始めた。 それは2000年と云う長い眠りの流罪だった。
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