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ここは田舎のまた田舎。
山の上にポツンと建つ家。
赤い屋根に白い塗装の少し掠れた様な木の壁。
沢山の花やハーブに煉瓦の石畳。
家の裏には広い畑があった。
ここから街まで行くバス停まで原付バイクで30分かかる。
そこからバスに乗って一番近い高校まで1時間。
そんな山奥にたった一人で住んでいる女の子がいた。
男勝りな性格で曲がった事が大嫌いで皆から『魔女』と言われていた。
そしてこの一軒家は『魔女の家』と呼ばれている。
身寄りは旅行好きの祖母だけで、家に帰ってくるのは年に一度くらいで、既に一人に慣れてしまって家を好き放題にしている。
土いじり、家庭菜園、花やハーブを愛してやまない。
そんな彼女の名前は『花之木昭(ハナノキアキ)』
高校2年生になったばかりの16歳だ。
昭は勝気で物事をハッキリ言ってしまう性格で皆から嫌われたり誤解されてしまう。特に男子には…。
だが一方で乙女チックで可愛い物が大好きだ。
家の中はアンティークの物ばかり。
食器は全てアメリカのアンティーク食器。
ファイヤーキング、オールドパイレックス、ヘーゼルアトラスにアンカーホッキングetc…。
カラフルな食器やアンティークの人形。
そして暇になるとパッチワーク。
アメリカの雑貨を愛している。
研究者だった死んだ父親が遺した遺産。
元有名な大学病院の医者だった祖母。
母親は浮気相手と失踪。
一人ぼっちの昭だったがそれでも大好きな物に囲まれていれば幸せ…と思っていたがまだ16歳だ。
周りの友人達がどんどん彼氏を作っていく。
私にも彼氏がいたらいいのにな…。
カッコよくて、年収は2000万あって、頭が良くて優しい人。
動物が好きで家族を大切にする次男坊、あ、そして私の趣味に賛同してくれる人が良い。
身長は180㎝以上なくちゃダメ。
『馬鹿じゃないの?そんな人居るわけないじゃん!昭には一生彼氏なんて出来る訳ないよ。アハハハハ!』
クソ…何時かアンタ達に自慢して驚かせてやる!
フン!と鼻を鳴らして妄想に耽る。
手元にある針に糸を通してチクチクと布を縫い始めた。
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