実験

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昭の彼氏が本当に絶世の美貌を持った男だと皆が騒ぐ中で担任はその話しに眉をしかめた。 戻った昭を担任は叱った。 シフォンにも生徒に示しがつかないと注意する。 これでは本当に危険だ。 寮に入るなんて真っ平御免だしシフォンを追い出すなんてとんでもない話しだ。 離れるなんて嫌だ。 「では先生、こうしましょうか。これから夜勉強して明日の昼にテストするのなら…僕が2年A組の勉強を見ましょう。そして全科目の平均点を上げます。そうしたらもう何も言わないで下さいね」 シフォンは言い切った。 よっぽど自信があるのかシフォンは笑っている。 「へぇ面白いね。頑張ってねシフォン君!僕は帰るからまた金曜日に。昭ちゃんバイバイ」 紀藤はそう言って帰って行った。 晩御飯を食べた後に2年A組の実習室は騒然となった。 一人の男性が現れて騒がしくなる。 「はじめまして…の人もそうじゃない人もよろしく。シフォン・クリームと言います。一応大学は10歳には卒業して教員免許も持ってるので安心して下さいね。今から10時まで僕が全教科教えます」 ザワザワとする中でシフォンは黒板に書き始める。 「じゃあ始めようか。まず英文から…」 昭は改めてシフォンの頭の良さに驚いた。 まるで小学校に入りたての子供に字を教える様に解りやすく説明する。 「解らない人は?」 颯太が手を上げた。 かなり不機嫌そうだ。 「全然解りませ~ん」 「そう…で、全然解らない所は何処から?」 「全部」 「そう、例え君が全ての点数が悪くても…皆の平均点が高ければ何の問題もない。だが君は赤点で補習決定と云う訳だ。異議は?」 颯太は黙り込んだ。 もう何を言ってもシフォンに通用しないと思ったのか真面目に勉強している。 「良い事を教えようか。勉強はあまり深く考えると深みにはまって解らなくなる。感覚で掴むと良いよ。『感情』と同じ様に当たり前な事だから」 シフォンはそう言って笑った。
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