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ところ変わり、場所は不思議の国。
「王」
「おや、珍しい。チェシャ猫が何のようだ。つまらない理由なら即刻首をはねてやる」
ピンク色の頭にネコ耳をはやした女はためいきをついた。
「せっかくのおいしい情報なんだがね?」
「アリスか。ならいらん。すぐにくる」
「違う。ほかの世界の住人もアリスに会いたいからと、連絡よこしたんだ」
「おいしくない」
赤い服を着た青年は女の言葉を一蹴した。
青年は不適な笑みを顔に浮かべた。
「チェシャ猫、お前はなにをする?この世界の統治者は誰だ」
「…ワタシはアリスに疑問を与える。この世界の矛盾を教える。統治者はハートの王」
青年王は満足そうに笑った。
チェシャ猫と呼ばれる女はいささか不満げである。
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