現実終止

8/8
前へ
/9ページ
次へ
◇◇◇ ドンッという何かが落ちる音がした。 私達は驚いて窓の外を見た。 そこには、さっきまで私達がいじめていた岡橋さんがいた。 いや、岡橋さんだったものがあった。 沢山の女子の悲鳴と男子の驚きの声が教室に飛び交った。 ただの遊びから始まったいじめだった。 ただ、退屈な日々に飽きたから。 1人でいる時は無表情で、誰も近づけないみたいな顔をしてて、でもそんな岡橋さんにも友達と呼べる奴等がいて。 その友達といる時の顔は笑顔で、その態度の変化が少し気に触った。 だから、遊び半分でいじめてやった。 いじめ始めると、岡橋さんと一緒にいた友達は岡橋さんから離れていった。 すっごく楽しかった。 自分がされたら嫌だけど、岡橋さんは他人だし関係無い。 でも、そんな考えの所為で、岡橋さんは死んでしまった。 私は人を1人死に追いやった。 今まで感じなかった罪悪感が身体中を駆け巡った。 「京香、大丈夫?」 「うん、大丈夫!」 親友の桜が心配して声をかけてくれた。 皆、顔が真っ青で、もちろん桜も真っ青だった。 それでも桜は、私に声をかけてくれた。 ある意味、安心した。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加