第一章

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チュンチュン・・・小鳥の鳴き声が響く、朗らかな小春日和。 平成7年?4/14日。朝8時・・・ (よし完璧!いくべ。) チャラチャラ音がする、安全ピンが無数に付いたブカブカのブレザーに、3Lのスラックス。はきつぶしたナイキのダンク。 眉毛を剃刀で線のように尖らせ、髪を20分かけてセットし終わったあと、おれは一人つぶやいた。 鏡に映るのはスーパーハードのCMのペンギンのような髪のイカツい兄ちゃん。 おれの名前はヨーヘー。回りが畑だらけの関東平野に生まれ、12年間まぁ生きてきた。 おれにとって、目立つことがすべてだった。 今日は中学の入学式だ。初日からナメられちゃダメだ。朝飯を食べ、いつもと違う道を自転車で走り抜ける。 校門を通るときに回りから物凄い視線を感じたが、知ったことじゃねぇ。
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