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少し早歩きなため、ついて来るのがやっとの弥生。
僕は何度も後ろを、振り向きながら歩く。
するとあまりにも後ろに、注意を向けすぎたせいもあり
(ドンッ)
という衝撃と共に、何者かの身体に当たった僕は、激しくよろけ派手に転んだ。
「痛っ」
膝を強くぶつけた僕は、出血しているだろう膝をさすりながら、小さく声が漏れた。
そんな転んだ僕を見て弥生が、
「大丈夫?」
と言いながら小走りで近寄って来る。
僕は大丈夫だ……。
そんな事よりも僕と衝突した人がいる。
僕と共に転んだ人……。
その人は僕より一歩先に立ち上がり、転んだ時に付着した砂を、一人両手で冷静に払っている。
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