JUSTICE

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現実が理解出来ないまま謎の集団に360°完全に包囲されると、 その集団の真ん中から一人、人波を掻き分けるように、酷く痩せた背の高い男が、自身の前に姿を表した。 集団の例に漏れず、真っ白なスーツにスキンヘッドで、頭にはSの刺青。 相手を威嚇するような飢えた獣のような大きな瞳。 その姿から年齢を読み取る事は不可能。 まるで少年の様にも、青年のようにも見えない。 そんな男は人波を掻き分け、自身の前に不敵な微笑を浮かべ、一人近づいて来た。 「俺達が……。あんたらに何をやったって言うんだ……?」 何度繰り返した事だろう?その質問を今度は集団ではなく、その男一人に向かって震えながら漏らした。 すると男は更なる不敵な微笑を浮かべ静かに答えた……。 「お前らみたいなゴミには、何を言っても理解できないだろ?」 そう言って自身に近づいて来ると男は、スーツのズボンの左ポケットに手を一瞬入れた。 すると視線がそのポケットに引き寄せられたと同時に、男のポケットから一つの物体が取り出された。 有無を言わさず自身の身体に突き付けられたその物体……。
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