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「何やってんだ!朝っぱらから…廊下まで聞こえてるぞ!とにかく二人とも落ち着けって…なっ?」
徹の呼びかけに靖彦と香奈恵は少し落ち着きを取り戻し、近くのイスへ腰をおろした。
「一体何があったの?」
恵子が聞くと香奈恵が興奮気味に答えた。
「私が浮気したって言うのよ」
「浮気?」
徹が聞き返すと靖彦が苛立って言った。
「あぁ…昨日の九時半頃、会おうと思ってカナの携帯に電話したらアイの家にいるって言ったのによ。
俺の友達が昨日のその時間大学にいるカナを見たって言うんだよ。話しかけても何も言わなかったから
変だと思って俺に電話してきたんだよ。アイの家にいるなんて嘘付きやがって…男と大学で会ってたん
だろうが!」
靖彦は再び立ち上がり、怒鳴り始めた。
「違うって言ってるでしょ!アイに聞けばわかるよ!彼氏とうまくいってないから相談に乗ってくれっ
て言われたのよ!」
香奈恵も負けじと怒鳴り返す。
「でも俺の友達がはっきりと見てんだよ!」
お互い一歩も引かずに怒鳴りあう。
「恵子。お前とりあえず香奈恵をラウンジにでも連れてってくれ。このままじゃ埒が明かないからさ」
「うん。ヤスの事任せたよ」
徹と恵子は一旦二人を引き離し、落ち着かせる事にした。
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