いつの日か

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「お父さん、お先にシャワー使わせてもらいました」 「おう。じゃあわしもシャワーをさせてもらうかな。いつも言ってるだろう。そんなに気を使わなくてもいいぞって」 僕よりも頭一つほど背の高いお父さんは熊のような大きな手で、僕の頭をクシャクシャと豪快になでた。 「本当の親父だと思っていいんだ」 優しい笑顔でそう言って風呂場に入って行った。 「婿に入ったわけではないにしろ、奥さんの実家に住むのは気をつかっちまうもんなのか?」 ケンタは冷やかすように笑う。
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