いつの日か

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病院内を歩くのはなかなかなれない。 もう何度か来ているのに、まだ緊張している。 ヤヨイのいる病室の前に着くと扉をゆっくりノックした。 「は~い、どうぞ」 中から声がして、僕たち三人は中に入った。 「おつかれさま。ケンタくんも今日はありがとうね」 お母さんがヤヨイの手を握りながら笑顔でそう言った。 「いえ、今日は暇でしたし、一度くらいはヤヨイさんの様子を見に来ようと思ってましたから」 「ヤヨイ、ちゃんと聞いてる?」 ベッドの上のヤヨイにお母さんがそう言う。
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