いつの日か

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「大丈夫だよ・・・。ものすごく痛いけど、感じるの。赤ちゃんが・・・ここにいるって」 左手で大きくなったお腹をさする。 「もうすぐ生まれてくるんだね。僕たちの子供が」 「そうだよ。・・・リクと私の子供だよ」 もうじき赤ちゃんが生まれてくるとわかっていても、なんだか不思議な気分だ。 自分に子供ができるなんて。 「お父さんとお母さんになるのか。いつの間にか大人になったんだね、僕たちは」 初めて会ったのは本当に子供の頃の話だ。 僕はあまり覚えていなかったけど、ヤヨイはずっと僕を思ってくれていた。 そう思うとなんだか照れるが、今こうして夫婦になっている。
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