いつの日か

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それから数時間の間、男たち三人は分娩室の前で出産が終わるのを待っていた。 三人とも落ち着かない様子で座ったりうろちょろしたりしている。 ずっと続いていたヤヨイの叫び声がやんだかと思うと元気な産声が聞こえてきた。 「生まれたんだ!」 分娩室のドアが開き看護師が出てくる。 「お父さん生まれましたよ」 僕の方を見て満面の笑みで言う。 「ぼっ僕のことですか?」 「そうですよ、おとうさん。さっ中に入ってください。お子さんと奥さんが中で待ってますよ」 「はい!」 嬉しすぎて泣きそうだ。 まだ自分の子供の顔も見ていないのに嬉しすぎてたまらない。
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