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水曜日の昼間だっただろうか。
その日僕は休診日で、家でだらだらテレビを見たり、本を読んだりしていた。
すると、隣の家…そう、石倉さんの所から、何かが割れるような大きな音がした。
彼女が皿でも割ってしまったのだろうか?
だが、皿を割ったぐらいで隣まで聞こえてくるはずがない。
少し心配だったが、僕が首を突っ込むのは余計な事だと思ったので無視した。
しかし、数分後、ウチの玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けるとやはり、彼女がいた。
「いきなりごめんなさい…」
そう言った彼女の顔は、今にも泣き出しそうだ。
腕に何ヵ所も傷や痣があった。
いったいどうしたのだろうか。
皿を割っただけにしてはおかしい。
「ひどい傷じゃないですか!?
とにかく早く上がってください、手当てしますから」
と言って、彼女を家に招き入れた。
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