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水曜日の約束の時間の30分前、彼女はちょうどミスドの入り口付近にいた。
今日は彼女と同時に来られたらしい。
僕は彼女が店に入りそうになったので、あわてて呼び止めた。
「由利子さん!」
彼女は驚いたように振り返った。
「村上さん?!
びっくりしちゃったわ…いきなり呼ばれたから…」
1週間ぶりに会った彼女は、すっかりやつれていた。
「由利子さん、大丈夫ですか?顔色がすぐれないみたいですけど…」
「村上さん…実は、お話したい事があるんです。今からあなたのお部屋に行ってもいいですか?」
「かまいませんけど…」
僕はこれ以上、何も言えなかった。
由利子さんの話は、きっといい知らせではない。
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