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由利子さんの旦那の名前は健吾というのか…。
彼女の口から旦那の名前が出たのは初めてだ。
しかし、僕のせいで彼女をつらい目にあわせていたとは…。
今日はきっと、もう会わないようにしようという話だろう。
「由利子さん、僕とはもう会わないと言いに来たんですね?」
僕は躊躇せずに聞いた。
彼女の返事が怖いが、これも仕方のない事なのだ。
かなり間を置いて、彼女は答えた。
「いいえ、違います…」
「えっ…?違うんですか?」
彼女の思いがけない返答は嬉しいが、それならいったい何なのか。
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