揺らぎ

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「実は…あなたのお家に私を居候させてほしいんです」 「え~ッ!!??」 僕は空いた口が塞がらない。 僕と由利子さんが一緒に住むだって? 一度も考えた事がなかった。 まさかの急展開、ってところだろうか。 「別に今日からって訳じゃないんです…。 村上さんが新しいマンションに引っ越してからでいいので…ダメですか?」 「由利子さん、正気ですか? それじゃあ、もっとあなたの立場が悪くなりかねないんですよ? 実家の方がいいんじゃ…」 「実家に帰っても、家にいても、どうせ責められるのは私なんです…」 彼女を救うには、家に来てもらうしかないらしい。 確かに、家に由利子さんがいてくれた方が、僕は嬉しい。 家に帰ったときに迎えてくれる人がいる生活……。 悪くはない。
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