bug×fate

3/22
前へ
/34ページ
次へ
 たった200ccの献血の後、また自分の中に新たな血が作られているのだと思えば、また吐き気がした。  こんな大事なものの収まっていない、空っぽの体なんていらない。  かと言って自分から細胞の活動を停止させるという、つまりは死という手段も選ぶことも出来やしない。  父の血筋に由縁するらしい高くはない体をさらに小さく丸めて、部屋の隅で泣いた。 ・
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加