…prologue…

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俺は、夢を見た。 普段なら見た夢は直ぐに全部跡形も無く忘れる筈なのに、その日だけはまるで、何かが頭ん中に直接刻み込んでくる様な、そん位、鮮明に残る夢を見た。 見た事の無い都市[まち]、上空にはデカくて奇妙な(正確には不気味といった方が正しい気がする)、俺等の世界では有り得ない非現実的な鳥が翼を広げ、そこら中に立ち尽くしている人々にこう告げた。 『憎しみをその身の内に秘め抱く者共よ。我が力が欲しくば従え』 確かこんな事を言ってたと思う。続きを見ようとしたら目覚まし時計が部屋中に煩く鳴り渡り、慌てて目醒めて飛び起きちまった。 今考えてみても不思議だと思う。ったく、何だったんだアレ。意味解んねぇ。 けどその夢がまさか、この後俺に関わるなんて思いもしなかった。 ましてや…… 現実から違う世界に飛ばされるなんて、想像すらしてなかった。  
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