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「どーすっかな……」
その時、ふと目にした看板。
「……こんなトコにCD屋なんてあったのか」
翔は多少考え、丁度だから此処で暇を潰そうと地下への階段を降り、店内に足を踏み入れた。店は思った以上に広く、他の店より多くのジャンル、特に自分が最近好きなインディーズが揃っている事に驚く。
「すげー……」
だが、何かほんの少し違和感がある。翔は辺りを見渡した。
店内には誰も居らず、店員の影すら見当たらない。
「(…今日は休業日ってか?)」
咄嗟にそう考えたが照明は点いてあるし、BGMとして使われている音楽もちゃんと流れている。
「すみませーん、誰か居ませんかー?」
疑問を浮かべつつも、店内の奥まで届くよう声を掛けてみた。
返事は無い。
レジの方に歩みカウンター裏まで探してみるも、やはり定員の姿はない。
「……マジで休業っすか?」
そして視界に入ったのは、一つの扉。
「もしやこん中にいるとか…?」
翔はドアノブを掴み、扉を開けた。
どうやら倉庫なのか通路は細長く、壁の左右両面に天井まである背の高い棚が設置され、沢山のダンボールが収納されていた。部屋に入り中を探索する。
「…此処にもいない」
取り敢えず此処を出ようと、ドアの方へ振り返った。
バタンと扉が急に閉まる。
「え、ちょっなn」
ガタッ
変な物音が聞こえ翔は見上げる。なんと頭上に大量のCDと荷物が段ボールごと降ってきていた。
「ギャーーー!!」
突然の事に翔は避けられず、大量の荷物に埋もれ気を失った。
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