―第9章―

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田辺は首に刺さっている包丁を抜いた。 同時に新たな血液が舞う。 そして、西田を睨み付ける。今にも飛びかかりそうな勢いだ。 (ここで俺がやらなきゃ…なんとしてでも食い止めなくちゃいけない!) 和人はフラフラの足に渇を入れると勢いをつけて立ち上がった。 そして田辺の持っていた大振りのナイフを奪い取った。 「!?」 「もう終わりですよ…田辺さん…」 和人は田辺の心臓目掛けてナイフを突き立てた。 「……………」 田辺は動きを止めた。 そして数秒間の沈黙の後、床へと倒れた。 (やったか…?) 和人は田辺の様子をうかがっていたがもう動き出す気配は無いようだ。
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