―第9章―

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和人は返り血を浴びて真っ赤になっていた。 田辺はすでに事切れたようだ。 もう動き出す気配は無い。 「やった……!」 和人は河相と西田のそばへと歩み寄った。 「もう大丈夫…田辺さんは二度と動かないから…」 「そうみたいですね…」 3人は疲労と緊張でもう立っていられないほどだった。 「なんでこんなことになっちゃったのかな…」 西田はそう言うと声を殺して泣き始めた。 「僕にも分かりません。ただまだ僕たちにはやることがあります」 「そうだね…なんとしてもここから脱出するんだ」 「はぃ…私もまだ死にたくありません」 「とりあえず少し休も? しばらく動けそうにないや…」 ここから生きて脱出する決意を固めると3人はしばらく休憩をとることにした。
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