-最終章-

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和人は目を覚ました。 「由紀ちゃん…?」 「もう…呼び掛けてもなかなか目を覚まさないから心配したんですよ?」 西田は微笑みを浮かべて和人の顔を覗きこんだ。 「あれ…ここは?」 そこはついさっきまでいたキッチンでは無く船の上だった。 大きなエンジン音と水しぶきをあげて船は広大な海を進んでいた。 「中野さん。やっと起きたんですね♪」 河相がにこやかな表情で近づいてくる。 「あんな状況の中ででよくそんな寝てられましたね?」 「???」 和人は現在の状況が何がなんだか理解できなかった。 「和人さん、寝ぼけてるんですか? 私たち助かったんだよ♪ 泗水館から出ることが出来たの。」 「え!?」 和人は西田のその言葉が信じられず唖然とした。
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