-最終章-

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「そっか…じゃあ俺たちは…」 「助かったんですよ!」 「『あれ』はどうなったの……?」 和人は話を聞いていて一番疑問に思ったことを口に出した。 「どうなったかは僕には分かりません」 その問いに対して河相が口を開いた。 「僕と西田さんが目を覚ましたらそこには心配した表情で船長さんがいました。きっと何回も呼び掛けてくれていたんでしょう。」 「そうなんだ…」 「『あれ』がなぜ僕たちを解放したのかは正直分かりません…」 「……………」 「でも僕たちはこうして助かってます。それでいいじゃないですか?」 「…うん。そうだね…」 「正直言うと僕も真相が知りたかったんです。でもさすがにもう限界でしたね。もう泗水館から早く出たい一心でしたから」 そこまで言うと河相は苦笑いを浮かべた。
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