-最終章-

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3人を乗せた船はしぶきを上げて○○港へと向かっていた。 海は波も穏やかでとても静かだった。 見渡す限り深い青い色で彩られた景色は3人を落ち着かせた。 泗水館で起こったことがまるで嘘だったかのように静かに時が流れていく。 「河相くんはとりあえず病院だね。まだ肩痛むでしょ?」 西田が河相へ声をかけた。 「大丈夫ですよ。だいぶ痛みも和らぎましたから。」 「無理したらダメです。向こうに着いたらすぐ病院へ行ってくださいね」 「ありがとう。そうさせてもらいますよ」 和人は泗水館で起こったことを振り返ってみた。 (たくさんの人がアソコで死んだな…忘れたくても忘れられないよ…こんなこと) 和人は遥か遠くに見える水平線を見つめた。 しばらく見つめていると自然に涙が溢れてきた。
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