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和人は落ち着いていた。
(もういいよ…君の好きなようにしたらいい。それで君が報われたらいいけどさ…)
ズズ…ズズズ……
その音が耳元にまで聞こえるようになった時、和人の視界はすべて黒になった。
深くて濃い黒…
和人は意識が遠ざかるのを感じた。
落ち着いているのに心臓の鼓動はやけに早い。
そして次の瞬間…
何も聞こえなくなった。
さっきまで聞こえてた秒針の動く音や自分の吐息の音、心臓の鼓動さえも…
何も聞こえない…
何も見えない…
そして和人は眠りに落ちた。
永遠に目覚めることの無い深い眠りに………
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