1「狂奏曲」

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 部屋にいたマキシミンは寝ていた。しかし、声が聞こえた。  「マキシミン?」  うなされてるのだろうか。苦しくもがくように声を上げている。珍しい、とイスピンはベッドサイドに寄る。  「…めろ……おれ、は…」  呟き、悲痛な唸り。最初は興味だったが次第にイスピンは何も言えなくなった。  「…逃げ…イルマ………」  …イルマ?誰だろうか。マキシミンの知り合いだろうか。  「…俺じゃな…やめろ……イルマ……殺した…く……ぅああっ…」  「やめろ…ミ…トラ、ル…」  泣いていた。目の端から冷や汗に混ざって涙が流れていた。こんなマキシミンをみたことなんか、ない。  ここ最近マキシミンはおかしい。いったい何を隠してるのか、マキシミンは一体どうして。  風が吹いて、イスピンを煽った。
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