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「ミストラルブレイドか…」
ボリスとジョシュアがハッとした。ナヤトレイも身をこわばらせる。
「ミストラルブレイド…?」
「ウインタラーと並ぶ伝説の魔剣。宿主に強大な力を授ける代わりにその魂を喰らう。魂を喰らわれた宿主は軈て発狂する。自殺にすれ、他殺にすれ、死ぬ。一般人には扱うどころか抜くことも不可能だと言われてる。」
「発狂…自殺?」
「本物なら。」
イスピンが記憶のピースを繋ぎあわせてみる。……なんということか、全て繋がった。
「発狂……?」
同時にそう小さく呟くとジョシュアは何とも言えない顔になった。当たり前だろう…ジョシュアは幼馴染みで、誰よりもマキシミンを知ってて…誰よりも頭の中での演算も早かった。
「…マック君を、殺しに行くんでしょ?僕はいやだ、行きたくない」
「でもそれがマキシミンの為だ――」
ボリスがいい聞かせるようにするがジョシュアは認めない。
「マック君のためなのはわかる、でも、僕はマック君を失ったら…また、僕は…僕を見失う…」
こっちも理性の綱渡りをして生きてきた人間だった。ランジエはそんなジョシュアを見て冷たく言い放つ。
「やらなければならないことだ」
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