1「狂奏曲」

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 「ミストラルブレイドか…」  ボリスとジョシュアがハッとした。ナヤトレイも身をこわばらせる。  「ミストラルブレイド…?」  「ウインタラーと並ぶ伝説の魔剣。宿主に強大な力を授ける代わりにその魂を喰らう。魂を喰らわれた宿主は軈て発狂する。自殺にすれ、他殺にすれ、死ぬ。一般人には扱うどころか抜くことも不可能だと言われてる。」  「発狂…自殺?」  「本物なら。」  イスピンが記憶のピースを繋ぎあわせてみる。……なんということか、全て繋がった。  「発狂……?」  同時にそう小さく呟くとジョシュアは何とも言えない顔になった。当たり前だろう…ジョシュアは幼馴染みで、誰よりもマキシミンを知ってて…誰よりも頭の中での演算も早かった。  「…マック君を、殺しに行くんでしょ?僕はいやだ、行きたくない」  「でもそれがマキシミンの為だ――」  ボリスがいい聞かせるようにするがジョシュアは認めない。  「マック君のためなのはわかる、でも、僕はマック君を失ったら…また、僕は…僕を見失う…」  こっちも理性の綱渡りをして生きてきた人間だった。ランジエはそんなジョシュアを見て冷たく言い放つ。  「やらなければならないことだ」
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