0.彼の望んだノクチュルヌ

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 ――…汝に神鳥ビアヌの祝福があらんことを。  何でそのような事を言ったのかはわからない。ただ今一度つく眠りの前に脳裏をよぎったのはその言葉だった。今一度……静かな夜のノクチュルヌこそが永遠の甘き眠りにつかせてくれると信じて居た。  ――…もう起きる事がないように。追復曲のように、模倣される事なく、唯…夜想曲……ノクチュルヌのように静かな夜を。静かに、深く、甘い…………それを。  我は、望むだろう。
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