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『煩い』
ドッペルを斬った瞬間それは嗤った。剣が鞘に収められており、ミストラルブレイドが斬ったドッペルが言う。
――…おれはふつうにいきたいだけなのに……生きて、いきて、生き延びる事だけが望みなのに…。
砂塵に帰したドッペルを見てミストラルブレイドは考える。マキシミン・リフクネの望み…それは……『生き長らえること』だ。
『我も結局は踊らされているに過ぎないのかもしれぬ。』
終わらない螺旋に閉じ込められた剣、魂を喰らい生き延びるそれ。いつか…あれは言った。
――…制御出来るまではこいつを抜かない。
しかしそれは塔の中の話…慟哭が充ち溢れる塔の中。北風を纏う剣を再び手にしたときの話だ。覚えてはいないのだ、ヤツは。
『我は、こやつが生き長らえることを望もう』
剣として、終わらない螺旋に組み込まれる彼を哀れむわけではない。ミストラルブレイドの意志によって。
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