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チュンチュンや、バタバタバタといった、雀の活動音が部屋に入り込む。
（ん？雀？……もう朝か）
少年が、瞼を閉じたまま脳内で何事かを理解した。
（……体が動かん。まだ体が寝てやがんな）
そんなことを考えている間にも、時計の針は刻一刻と、朝の目覚めへ進んでいた。
そして、カチッと、短針が七を、長針が十二を示した瞬間、部屋中にジリリリとけたたましい、鉄を叩きまわす音が響き渡った。
「うわお!?」
少年の脳が一気に活性化する。
「不意打ちはないな……」
ボサボサの頭を気にすることもなく、少年は時計を止め、ベッドから立ち上がった。
彼の名前は犬井 拓磨(いぬいたくま)。
特に特徴もない、ように見える高校一年生だ。
クラブは野球部。
委員は図書。
得意教科は体育。
まぁ、普通の少年だ。
「さてと、準備しますか」
少年は寝覚めの良いまま腰を上げ、襖を開けて、キッチンに向かった。
何作ろっかな。やっぱここはシンプルに、スクランブルエッグとトーストで良いか。
そんな朝の献立を考える少年。再び現われた扉を開き、中に入って行く。
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