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「あれ?次はフライパンが……」
他の親族も、強く、共に暮らした方が良いと拓磨に勧めた。
しかし、伯父も伯母も、そこまで拓磨を引き止めるようなことはしなかった。
ただ、祖母が貯めてきた三百万と、祖父母の保険金が入った通帳だけを渡し、『いつでも頼ってくれ』とだけ言った。
そこで拓磨は決意したのだ。
決して弱くならない。
決して悲観的にならない。
決して悔やまないと。
「やっと見つけた……」
拓磨はフライパンに油を引き、卵を掻いた後熱したフライパンに落とした。
「あ、バター入れるの忘れてた」
今の彼を見ていると、心配になるのも分かってしまう気がするが……。
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